初めての職場というのは誰しも緊張するものです。それが新人ナースとなると、なおのこと。緊張からミスをしたり、やる気だけが空回りしたり…この先やっていけるのかしらと悩んでいる新人ナースも多いでしょう。新人ナースに限らず、転職や復職したての方も同じようなことを感じていらっしゃるかもしれません。
患者さんにより良い看護をお届けするには、看護の知識や技術はもちろん大切です。加えて、患者さんや先輩ナースと円滑にコミュニケーションを図るという処世術も重要だといえます。
看護業務を行っていくなかで何か疑問が生じた場合、多くの人は先輩看護師へ尋ねるでしょう。しかし、遠慮や自分の自信のなさから、上手く聞くことができない人もいます。これは、自分が学べる機会を失っていますし、なによりも患者さんにとって不利益です。場合によっては、重篤なサインを見逃すことになりかねません。
なかには勉強してきた知識や過去の経験に頼りすぎ、先輩看護師のアドバイスを素直に受け入れられない人もいます。医療は日々進歩しているため、広い視野を持つことが大切です。自信過剰は禁物、謙虚な気持ちで先輩の指導やアドバイスに耳を傾けましょう。
また、患者さんの声に耳を傾ける姿勢も必要です。日々の体の調子や気になること、不安なことなどを話されるときはしっかりとお聞きしてください。会話のなかから患者さんの状態を汲み取ることも大切です。人と話すことに苦手意識がある方は、まずは挨拶プラス一言から心がけてみましょう。例えば「おはようございます。今日は暖かくなりそうですね。」という具合。あたり触りのない一言ですが、そこから話が広がる可能性は大いにあります。
業務におけるコミュニケーションとは、他者と仲良くなることが目的ではありません。業務を正確かつスムーズに遂行させるための手段のひとつです。事象や疑問、考えを分かりやすく伝えること、謙虚かつ寛容な姿勢でいることが、より良いコミュニケーションにつながります。
先輩や上司とコミュニケーションがとれるようになると、新人ナースにも若干慣れが生まれてくるかもしれません。互いの距離が縮まるのは微笑ましいことではありますが、仕事には緊張感も必要です。互いに意見や考えを交わせる関係性は大切にしつつも、自分の立場をわきまえることも忘れないようにしましょう。そのためには、「この職場において自分は新人である」と自覚することが大事です。つまり、謙虚な姿勢をもつということに他なりません。
積極的に仕事を行うのは好ましいことですが、自分の力量以上のことを引き受けてしまうと、後々トラブルになることもあります。それを避けるには、「自分が行える範囲を明確に伝える」ことがポイント。自己アピールも大切ですが、出しゃばりすぎると誤解を招くこともあるので注意が必要です。常に客観的な視点と気持ちを忘れずにいれば、同僚や先輩との関係性も上手く築けるできるでしょう。
先輩や上司は、新人ナースを育てることを迷惑だとは思っていません。むしろ「一緒に頑張って早く一人前になろうね」と応援する気持ちが大きいでしょう。しかし、その一方で新人教育に費やす時間が増えるのも事実です。新人ナースはそのことを認識し、「仕事の効率化」にも意識を払うことが大切だといえます。相手の大切な時間をいただいているということを念頭において業務に臨むと、良い緊張感が湧き覚えが早くなるかもしれません。
また、業務において分からないことは曖昧にしておかない、ということも心がけましょう。新人のうちは何を聞いても恥ずかしくはありません。なんとなく分かったような気にならず、今後のためにも先輩や上司にきちんと教わっておきましょう。新人特有の貪欲に学ぶというスピリッツは、きっと周囲の看護師にも良い影響を与えるはずです。
これまであなたが生活してきたなかで、他者の言動について「この人の言い方は厳しいな」「あの人はいつもイライラしているな」というようなことを感じたことはありませんか?その際、「なぜ厳しいのか」「何にイライラしているのか」といった原因まで慮る人はあまりいないでしょう。おそらく、表面に現れている「悪い印象」のみが目に付き、その人との関係は進展しないことが多いと思われます。
あまり関わりのない人であれば、それで支障ないでしょう。しかし、日常生活や仕事で接する場合は、相手が抱えているものに目を向けるほうがあなた自身も納得しやすいと思われます。例えば、次のような可能性も考えられます。
このように相手が置かれている立場や状況、気持ちなどを思いやると、印象は一変します。結果、その人との関係性が良くなることもあるでしょう。
看護師は、さまざま年齢・性別・職業・病状・家庭環境の患者さんと接します。その際、画一的に接するのではなく、患者さん個々人が置かれている状況や立場、抱えている不安なども汲み取るように心がけることが大切です。同僚や先輩、上司との関係も同じことがいえます。
広い視野、柔軟な考え方、謙虚な姿勢、思いやりの心をもつことで、コミュニケーションスキルの高い有能な看護師になれるでしょう。
Category : ナースのための処世術とは
あなたは部下や後輩が失敗をしたときに、思わず「カーッ!」と頭に血がのぼった状態で、激しく叱責してはいませんか?もし少しでも心当たりがあるなら、この叱責方法は、あまり効果的とは言えません。こんなときは、まずあなたが冷静になることが大切なのです。
最近の人は、他人とコミュニケーションを取ることが苦手だと言う人が多いようです。そんな人にオススメなのが、阿川佐和子さんの著書『聞く力-心をひらく35のヒント』です。あなたも「聞き上手」になって、コミュニケーション能力を高めましょう!
転職をすると、新しい職場に馴染めるだろうかと、心配になりますよね。こんなときは、どんなにキャリアがあったとしても、謙虚でいることが大切です。新人看護師になった気持ちで、新しい職場の上司や先輩看護師の言うことを素直に聞くようにしましょう。