コミュニケーションをどう取るかが転職後ナースの処世術

【転職後編】周りとのコミュニケーションの取り方

【転職後編】周りとのコミュニケーションの取り方

転職先でのコミュニケーションの取り方

転職するにあたり気になることのひとつとして、新しい職場に馴染めるか…ということがあげられます。実際、なかなか馴染めずに悩んでいる人も少なくありません。なかには人間関係が上手く構築できず、精神的に追い詰められる人もいます。そうならないためにも、転職先で上手くコミュニケーションを図ることが非常に大切です。では、具体的にどのようなコミュニケーションが適切なのか見ていきましょう。 まずは、挨拶をきちんとするということがポイントです。あなたが不安を抱えるのと同じように、実は転職先のスタッフも「どんな性格の人なんだろう」「みんなと上手くやってくれれば良いんだけど」とあなたを様子見しています。つまり、お互いに少し遠慮がある状態です。もし、初期の時点であなたの印象があまりよくなければ、そこから先のコミュニケーションはなかなか上手くいかないでしょう。それを突破するためにも、初めの挨拶はとても大切なのです。
挨拶に加えて、スタッフの名前を早く覚えることも馴染むうえで効果的といえます。挨拶をする際に「◯◯さん、おはようございます」と相手の名前をつけると、言われた方は「私のこと覚えてくれたんだ」と嬉しくなるものです。相手の承認欲求をくすぐり、自分への壁を崩していき距離を縮めていきましょう。
また、あなたがどんなに経験豊かであったとしても、新しい職場では新人のようなものとわきまえてください。同じ業種でも、仕事のやり方は職場によって異なります。前の職場と新しい職場は違って当然と考えるようにし、新しい職場の方針に従って業務にあたるようにしましょう。違和感を感じても、前の職場と違うと反発したり、文句を言ったりするのは賢明ではありません。そのようなときは、自身や他の人が感じている課題はないかなどを把握し、それを改善するために違うやり方を提案する…というソフトな方法で働きかけてみましょう。
このような挨拶や声がけ、業務への真摯な姿勢などが、上司や他のスタッフたちとの良いコミュニケーションに繋がる処世術です。

先輩看護師とのコミュニケーションの取り方

新しい職場での業務を覚えるには、先輩看護師から指導を受ける必要があります。先輩よりもあなたのほうが看護師としての経験が長かったとしても、職場歴としてはあなたのほうが後輩です。もしかすると、全くの新人看護師のようにベテランの先輩から怒られることがあるかもしれません。しかし、これは嫌がらせなどではなく、早く仕事に慣れて欲しいという気持ちや患者さんに不利益を生じさせまいというという想いからです。ひどく落ちこむ必要はありませんが、謙虚な姿勢で耳を傾けるように心がけましょう。
そうはいうものの看護師だって人間です。怒られるより、可愛がってもらえる方が嬉しいでしょう。では、「先輩にかわいがられる後輩」とはどのような人物なのでしょうか。 前の職場や学生時代に、自分が「先輩」だったときのことを思い出してみてください。後輩が何らかであなたを頼ってきたとき、おそらく悪い気はしなかったでしょう。人は誰かに期待されたり頼られたりして「存在」を認めてもらうことに、少なからず喜びを感じます。これを踏まえて考えると、先輩にかわいがられる後輩とは「頼り上手」なタイプだといえるでしょう。
自分は甘えベタだからな…という方もがっかりする必要はありません。甘えなくとも、フォローしてもらったときや何か教えてもらったときに「〇〇さん、助かりました」「〇〇さんがいてくれて、心強かったです」といった感謝を伝えることが大切なのです。仮に苦手な先輩だったとしても、きちんと相手の顔を見て素直にお礼を伝えてみてください。それを機に関係性が良くなる可能性もあります。 また、先輩看護師や他のスタッフから指示を受けた際、分からないことは「分かりません」、できないことは「できません」とはっきり答えることも大切なコミュニケーションのひとつです。曖昧な返事をしていては、先輩看護師や他のスタッフにきちんと伝わらないうえ、患者さんへも支障をもたらしかねません。コミュニケーションとは仲良くすることだけを指しているのではなく、自分の意志や考え、状況などを明確に伝えることも含まれているのです。

患者さんとのコミュニケーションの取り方

転職先の業務に早く慣れようと必死のあまり、口数が少なくなったり表情が乏しくなったりする人がいます。業務を覚えようとする意欲があるのは良いことですが、看護師が無口で顔まで険しいと患者さんは威圧感を覚えるでしょう。表情を豊かにし親しみをもって、患者さんとコミュニケーションを取ることも看護師の仕事の一つです。
病気や怪我で心細い想いをしている患者さんにとって、看護師との会話は気持ちを明るくしてくれるオアシスのようなもの。しかし、看護師のなかには「人との会話が苦手」「話が続かない」「何を話せばよいのか分からない」という人もいます。そのような人は、以下のコツを意識してみましょう。
まずは、笑顔が大切です。にこやかな表情を心がけ、患者さんの緊張をほぐしてあげましょう。柔らかく話しやすい雰囲気を作るのがポイントです。患者さんが話しているときは、相手の目を見てにこやかに頷きながら聞くように心がけてください。その際、患者さんの話を否定・批判してはいけません。「聞き上手」になることが基本です。 何を話せば良いのか分からないという人は、あらかじめいくつか話題を用意しておくと話に困りません。誰とでも話題にしやすいものは、天気や地域、食べ物の話題など。テレビをよく見ている患者さんなら、ドラマやニュース、スポーツなどの会話が弾みやすいでしょう。基本は患者さんの興味・関心に合わせることです。
また、会話がある程度つづくような工夫もしてみましょう。患者さんに話しかけるときは、単純に「はい」か「いいえ」で答えられる聞き方をしないのが会話を続けやすくするコツです。例えば、プロ野球が好きな患者さんであれば「〇〇球団のファンなんですね!〇〇のどんなとこがお好きなんですか?」「〇〇球団がお好きなんですね!一押しの選手って誰かいます?」というような尋ね方をしてみましょう。人は自分が好きなものについては饒舌になりがちです。その傾向を活かしてみてください。
ただ、その時に気を付けなければいけないのが「言葉遣い」や「態度」などです。積極的にコミュニケーションを取っているつもりでも、言葉遣いや態度が雑であれば、患者さんに不快感を与えてしまいます。病院や看護師という職場や職種に限らず、日頃から気を付けて生活することで、とっさの会話でもきれいな言葉で話せるでしょう。

Category : ナースのための処世術とは

こちらもおすすめ!

冷静になって原因を叱る!
冷静になって原因を叱る!

あなたは部下や後輩が失敗をしたときに、思わず「カーッ!」と頭に血がのぼった状態で、激しく叱責してはいませんか?もし少しでも心当たりがあるなら、この叱責方法は、あまり効果的とは言えません。こんなときは、まずあなたが冷静になることが大切なのです。

阿川佐和子さんから学ぶ「聞く力」
阿川佐和子さんから学ぶ「聞く力」

最近の人は、他人とコミュニケーションを取ることが苦手だと言う人が多いようです。そんな人にオススメなのが、阿川佐和子さんの著書『聞く力-心をひらく35のヒント』です。あなたも「聞き上手」になって、コミュニケーション能力を高めましょう!

【転職後編】周りとのコミュニケーションの取り方
【転職後編】周りとのコミュニケーションの取り方

転職をすると、新しい職場に馴染めるだろうかと、心配になりますよね。こんなときは、どんなにキャリアがあったとしても、謙虚でいることが大切です。新人看護師になった気持ちで、新しい職場の上司や先輩看護師の言うことを素直に聞くようにしましょう。