理不尽な人を味方に変えるベテランナースの処世術

【ベテラン編】理不尽な人を味方につけるための4つのステップ

【ベテラン編】理不尽な人を味方につけるための4つのステップ

ベテランナースの処世術

職場ではベテラン看護師として活躍していても、人間関係が足かせとなっておりストレスを感じている人は少なくありません。もしあなたが人間関係に悩んでいるなら、理不尽だと思う人を自分の意識から減らして、むしろその人たちを味方に付ける方法を実行してみましょう。職場の人間関係を円滑にするための処世術を、4つのステップでご紹介していきます。

STEP1 相手を決めつけない!

相手を理解しようとするとき、つい肩書きなどの情報や噂話などに頼って、相手の性格などを決めつけてしまっていませんか?例えば、「彼女は◯◯大学を出ているから頭がいいはず」「時間にルーズらしいから仕事もできないんだろう」「B型だからマイペースなのは仕方ない」冷たい態度を取られたときに、「私のことが嫌いなんだわ」というような具合です。
この決めつけ癖や先入観、実はとても危険なことです。一度そう思い込んでしまえば、その考えからなかなか脱却することができません。結果、ほかの選択肢を考えられずに自分自身で視野を狭くしてしまうことになるのです。決めつけ癖がついてしまうことで、物事を多角的に見る、俯瞰するといったことが難しくなり、自分の思考を改めずに固執してしまう傾向にあります。

ベテランナースの人柄で若手がどのように育つかにも少なからず影響するため、冷静に立ち止まって「本当にそれは事実なんだろうか」「勝手に解釈しているだけかもしれない」と、決めつけがなかったが自分の思考を客観的に振り返るように意識することが大事です。
また、「決めつける」ではなく「かもしれない」と思うようにすることも有効な方法の1つ。「冷たい態度だったけど、疲れてたのかもね~」と深く考えずに流すようにすることで、気持ちにもゆとりを持つことができるでしょう。

STEP2 白黒つけないことも大事!

多くの人はこの世界を「正しい」と「正しくない」に分けています。テストには必ず「正しい答え」があり、生活する上でも小さい頃から、「正しい箸の持ち方」や「悪いことをすると怒られる」というように、家庭環境や義務教育、友人関係などによって価値観は形成されます。
そのため、相手が自分の価値観から外れたことをすると、それを間違いだよと「正したく」なります。しかし、育ってきた環境が一人ひとり異なるように、価値観やものさしは人それぞれです。そのため、「正しい」には人それぞれに違いがあるということを知っておく必要があります。
特に看護師の世界では、医師や看護師のほか、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士などの多種多様な専門スタッフと協働する必要があります。大勢とチームを組むと、必ず自分と違う意見の人は一定数いるはずです。
相手が自分と違う考え方・常識を持っていたとしても、「なぜわかってくれないんだ、この人とは合わない」「人としてどの考え方はどうなんだ、一緒に働くの嫌だな」とその人を否定してしまえば、前項でもお伝えしたとおり考えが固執し、物事を多角的に見ることができなくなります。
大事なのは、白黒つけないグレーゾーンでもうまくいくケースがあることを知ること。「これは相手の常識であり、相手の価値観なんだ」「こういう考え方もあるのか。なぜこういう考えを持ったんだろう」と、相手を否定することから入らずに柔軟に受け入れてみることが大切です。

自分の価値観を押し付けないと同時に、相手の価値観も否定しない。そういう考えもあるんだ、こういう人もいるんだと、いったん受け入れてみることから始めてみましょう。自分と価値観が合う人と仕事するのはラクで居心地が良いかもしれませんが、合わない人と仕事することで新しい発見があり視野が広がるかもしれません。

STEP3 自分から離れる!

失敗が許されない気の張った時間が続く看護師の仕事。精神的なストレスもあり、相性の悪い仕事仲間がいれば腹が立ち許せないと思うことも増えていくものです。
学校生活であれば、気の合う仲間と一緒に行動すればいいだけですが、職場となると話は別。特にチームワークが重要な医療の現場において、嫌いな相手・苦手な相手とも連携を取りながら仕事をする必要があります。
敵意を持って接してくる、言い方に棘がある、人の悪口ばかり言う人がいる…など、自分へのダメージが強いほど、意識が自分にいき相手が見えなくなってしまうことが多いです。
このようなときに大切なのは、意識を自分から切り離すこと。意識が自分に向けば相手が見えずに、相手のことを理解することができません。「なぜそう思ったのか」「なぜこのような態度を取るのか」などと、ときには立ち止まり客観的に考えてみることも大切です。

STEP4 相手になりきる!

1~3のステップを踏まえたら、最後は相手を知るために話をよく聞きましょう。どのような環境で育ったのか、どのような立場に立ち意見を言っているのか、あなたのことをどのような役割として見ているのかなどを知ろうと努めます。
このとき、あなたの意見や常識は必要ありません。相手がどんなにあなたの常識に外れたことを言ったとしても、否定するのではなく興味を持って聞きましょう。「こういうことがあったから、こう考えるようになったのか」など、なぜそう思ったのかを相手の立場に立って考えることができれば、相手という人間をぐっと知ることができるはずです。

以上の、決めつけない・白黒つけない・自分から意識を離す・相手になりきるという4つのステップに共通するキーワードは、「寛容」です。
寛容とは、相手との違いや欠点を避難することなく、広い心で相手を許すという意味を持ちます。このステップを職場で意識することで、苦手な相手に腹が立ちづらくなり、今まで敵だと思っていた相手があなたの良き理解者・味方になる日がくるかもしれません。

Category : ナースのための処世術とは

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